@Osaka Endosky Journal

焼いて粉にして屁で飛ばせ

打てない球はあるのか

「バッターボックスに立って、打てないと思う球ってあるの?」

「打てない球なんてあるか。打たないと思ってバッターボックスに立つ奴はいない」

「なら、ものすごく難しいと思ったピッチャーは?」


 「南海の杉浦。本当にカラダのきれていた時の杉浦のフォークは本当に見えなかった。でも、カラダのきれがなくなれば、普通に打てたさ。」



 杉浦忠はあの長嶋茂雄と立教時代の同期コンビ。本当はあの大沢親分の後ろ盾で、2人とも南海に来るはずが、鶴岡監督の強いプッシュで、長嶋はジャイアンツに。経緯はこちらでどうぞ。



 「杉浦のすごいところはなに?」

 「ストレートさ。地上から這い上がってくるストレートに力がある。だから、フォくボールが見えないと感じる。でも、ストレートに力がなくなれば、フォークも見える。プロってのはベストの状態で戦うもんだから、カラダに切れがなくなれば、大投手も普通の投手。」


 「東映の尾崎も怪童でしょ!」

 「あの年の成績は、オールスターまで尾崎が19勝する。でもそのあと1勝しかできなかった。前年に自分も3割を目前にしたから、スタートダッシュは抜群によかった。前半戦は俺と尾崎で勝ったようなもんだったよ。」

 「でも、野球はシーズンでやるもの、尾崎は結局5年で肩を壊す、自分も3割は残せなかった。その年は日本シリーズで優勝しているから、チームとしては満足だけどね。選手は年俸だから、それだけじゃない。話がそれた。」


 「ほかにもいいピッチャーいるでしょ?」

 「そりゃあ、たくさんいるよ。でも、あえて見えない球があるとしたら、杉浦のフォークだけ。」


 絶対に打てないといわない叔父さんにプロの意地がある。ちなみに、昔、フジテレビ、プロ野球ニュースのオフシーズンコーナーにカモネギというコーナーがあり、現役、OB含めて苦手選手をリレーするコーナーがあった。あの神様仏様稲生様の稲尾投手が苦手にしていたのは、そうこの叔父さん。

 

 「稲尾は得意だったんでしょ」

 「あー稲尾は投げる前にカオに出るんだよ。右中間狙いさ。」


 でも僕にも何かは教えてもらえず。勝負どころはだれにも明かさない。死ぬまで勝負師。